米Sun Microsystems Executive Vice President,Rich Green氏
米Sun Microsystems Executive Vice President,Rich Green氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「Web 2.0でのJavaの採用が加速する。JRubyなど,スクリプティング言語でJavaを利用する技術が重要な役割を果たす」---このほど来日した米Sun Microsystemsのソフトウエア部門の責任者,Executive Vice President Rich Green氏はこう語る。

 Web 2.0と呼ばれるインターネット上の新しいサービスは日々新しいアプリケーションが生み出されており,Javaの得意とするスケーラビリティや信頼性よりも,スクリプティング言語の特徴である開発生産性や柔軟性が重要視される。そのため,RubyやPHP,PerlやPythonなどのスクリプティング言語が使用されることが多い。

 Green氏がWeb 2.0でのJava採用のカギと見るのが,JRubyなど,スクリプティング言語とJavaの連携技術である。JRubyはJavaによるRuby実行環境。Sunは2006年9月にJRubyの開発者であるCharles NutterとThomas Eneboを社員として雇用,両氏はSunの社員としてJRubyの開発を行っている。すでにJRubyが実際に使用された事例もあるという。

 Java SE6では,スクリプティング機能が標準でサポートされ,Javaアプリケーションから別の言語で記述されたスクリプトを呼び出し実行できる(関連記事【Jakarta/Apacheウォッチ】第29回 Java SE6スクリプティング標準の実装「Apache BSF」)。

 「我々はJava VMをオープンソース・コミュニティに提供した。誰でもこのVM(仮想マシン)を使い,スクリプト言語を作ることができる」(Green氏)

 またGreen氏は,Sunが11月にJavaをGPLv2でオープンソース・ソフトウエアとして公開したことに関して「LinuxディストリビューションへのJavaの標準搭載が進む可能性がある」との見方を示した。

 OpenSolarisは現在Sunの独自オープンソース・ライセンスであるCommon Development and Distribution License(CDDL)で公開している。SolarisへのGPL適用も検討していると伝えられているが,Green氏は「SolarisへのGPL適用は重点を置いて検討している」と前向きな姿勢を示した。